この記事では、GIOS(ジオス)ミストラルの前側の変速を、フロントトリプルからフロントシングルにするまでをレポートします。
クロスバイクってフロントトリプル(前3段変速)が多いです。
でも実際には3段変速なんて使いませんし、いりません。
GIOS(ジオス)ミストラルのオーナーさんや、それ以外の自転車でもフロントシングルを考えている方に有益な情報をお届けできると考えます。
フロントシングル最高です。
GIOS(ジオス)ミストラルにトリプルはいらない
普段乗りお気楽コンセプトのGIOS(ジオス)ミストラルのレストアも最終段階に差し掛かってきました。
今回はGIOS(ジオス)ミストラルの変速系のレストアとカスタムです。
具体的にはフロントギアがトリプルからシングルに変更します。
これが元のボロのGIOS(ジオス)ミストラルに付いていたクランクセットです。
そうとうくたびれてはいますが、特にカスタムされた気配もなく、オリジナルのまま。
目立ったサビもなく、お手入れすればまだ使えそうです。
でも使わずに処分します。
ボクはこのフロントシングルのクランクセットが苦手なんです。
苦手なわけは、
- ゴテゴテしている
- 重そう
- 3段変速なんていらない
- フロントシングル信者だから(謎)
というのが理由です。
白状すると、スポーツ自転車に乗り始めて数年くらいは、変速段数が多い方が偉い!と思ってました。
なのでフロントシングルの折りたたみ自転車を買った際も、わざわざフロントダブル化して、ドロップハンドル化して、なんてことをやってました。
ですが、あるときふと「フロントシングルで十分じゃないの」ということに気付いてしまったのです。
「フロントシングルで十分じゃないの」という考えは、一年ほど前にジャイアント・エスケープR3に乗った際に確信に替わりました。
ジャイアント・エスケープR3のフロント変速構成は次の通りです。
- 48T
- 38T
- 28T
これはGIOS(ジオス)ミストラルのフロント変速構成と同じです。きっとクロスバイクの変速のお手本のような構成なのでしょう。
ある日、三速あるなかの真ん中の38Tだけで走ったことがありました。
その結果は次の通り。
- かなりの距離と斜度がある坂も38Tで問題なく登れる
- 平坦路でがんばって走ってもギアが売れきれることがない
結果、48Tも28Tもいらん、という結論となりました。
もちろん、ロードレースに参戦するなら48Tがいるでしょう。
MTBで行くようなお山トレッキングに行くなら28Tがいるでしょう。
でもそんなことGIOS(ジオス)ミストラルでしませんよね?
そんなこんなでGIOS(ジオス)ミストラルもフロントシングル化することにしました。
選んだシングルクランクは「シマノ GRX 40T」
さてGIOS(ジオス)ミストラルをフロントシングル化するには、チェーンリングがシングルのクランクを用意する必要があります。
トリプルクランクの48Tと28Tを間引いて、38Tだけを残す方法もあるのでしょうが、せっかくですので専用のクランクを用意しました。
以前ジャイアント・エスケープR3にも装着していたクランクですが、エスケープR3が嫁いて行きましたので、しばらく使わずに保管していたものです。
「シマノGRX40T」クランクです。
最近人気が高まっているグラベルバイク用のクランクセットですね。
ホローテックタイプのクランクですので、ボトムブラケット(BB)も元のスクエアテーパーからホローテック用BBに変更する必要があります。
40Tという絶妙なサイズのチェーンリングが付いています。
過去の経験から言ってこの40Tというサイズが、高速から低速までぴったりカバーしてくれます。
クランクの長さは何種類かあるので、体格に合わせて選んでくださいね。
「GRX 40T」のチェーンリングはナローワイド
「シマノGRX40T」の特徴はもう一つありまして、それがナローワイド仕様のチェーンリングです。
シマノはナローワイドという用語を使ってませんが(たぶん)実質ナローワイドなんです。
このチェーンの切れ端を例に説明しますね。
チェーンを構成する金属の板の間が、広い、狭いが交互に連続してますね。
ナローワイドであるGRXのチェーンリングの歯です。
こちらも歯の厚みが、厚い、薄いが交互にならんでいます。
このチェーンリングの厚い・薄い、チェーン狭い・広い、ががっちり噛み合うことでチェーンの外れを防止するわけです。
ナローワイドではないチェーンリングだと、チェーン外れを防ぐためにチェーンングガード(バッシュガード)や、チェーンガイドなんかが必要です。
そうでないでけっこうな割合でチェーンが落ちます(経験済み)
かたやナローワイドのチェーンリングだと、チェーンが落ちることは限りなくゼロに近いです。
なぜ100%落ちないと言わないかというと、ボクもGRXで1回だけチェーンが落ちたことがあるので。
ホローテック互換BBの取り付け
ではGIOS(ジオス)ミストラルのフレームにGRXクランクを取り付けましょう。
元のテーパースクエア型のBBを取り除いてあります。
余談ですが風雨のさらされていたのでしょう、旧BB取り外しには大変苦労しました。
旧BBを取り除いた後は、パーツクリーナーでキレイに洗浄します。
そしてこれからホローテックBBをねじ込むネジ山部分にグリスを塗ってあります。
これがいつも選んでいるシマノの「BB-RS500」というBB。
二千円弱くらいで買えて、これまでまあまあ問題なく使えてます。
でも世界的非常事態の影響でしょう、納期がいつか分からないんですね。
仕方がないので、PROWHEELというマイナーな?メーカーの、ホローテック互換BBをヤフオクで購入しました。
互換というか、ほぼBB-RS500と同じ形でコピーと言っていいような。
中身までまったく同じということは無いと思うので、BBとしての性能は未知数です。
ただBBの回転性能までは、敏感に感じ取れない自信があるので良しとしましょう。
送料込みで1500円だったので、もしダメでも諦めがつきますよね。
BBを締め込む際は、左側は時計回り、右側は反時計周りに回します。
途中までは手でねじ込んで、手では無理な固さになったら専用工具で回します。
ボクが使ってる工具はこちら。
長く使ってますし悪くはないんですが、正直ちょっと使いにくいシーンもありますね。
新たに買うのなら、下記のようなBB全体をカップで包み込むタイプを選んでみたい。
特に問題なくBBの取り付けが完了しました。
ホローテックタイプのBBってメタル感というかメカニカル感というか、シャープでカッコいいなあ。
「GRX 40T」の取り付け
BB取り付けが終わりましたので、GRXホローテックタイプクランクをセットします。
クランク軸?クランクシャフトにグリスを塗ります。
余談ですが、ボクが使っているグリスは10年ほど前にオートバイ整備のために買ったものです。なかなか減らないのであと10年はもちそうです(笑)
このグリスが無くなったら欲しいなあと思ってるグリスがあります。
これから新たにグリスを買おうと思っている方にもおすすめしたい。
これは簡易なチューブに入っているタイプですが、容量別に歯磨きみたいなチューブに入ってるのや、容量多めのカップに入ってるのとかあるので、選んでくださいね。
それにしても安いです。
いつものことですが、BBのオイルシールとクランク軸がキツキツで、すんなり入ってくれません。
キツキツなおかげで水の侵入を防いでくれていると思うので文句は言えません。
そこでプラハンマーでガンガン!ではなくコツンコツンと叩き入れます。
当て木とかしたほうがいいのかも。
無事BBにクランクを差し込むことができました。
お疲れ様でした。
シンプルで美しいフロントシングルが完成
いかがですか、このスマートさ。
たった一枚だけのむき出しのチェーンリング。
そしてそこにあったであろうフロントディレイラーの無い空間。
見た目のスッキリさはさることながら、フロントシングルであることによる機能的なメリットも多くあります。
- フロントの変速を考えなくていい
- たすきがけがどうのとか考えなくていい
- フロント変速のガチャガチャから開放される
- 故障の原因が減りメンテナンスもラクラク
- 重量も気持ちも軽くなる
このようにフロントシングルはいいことづくめです。
目を△にして走らない、MTBのような使い方をしない、ならフロントシングルの圧勝です(注:個人の主観的感想です)
現代的デザインのGRXクランクが、ネオクラシカルなGIOS(ジオス)ミストラルに合うような、合わないような(笑)
普段乗りお気楽コンセプトのGIOS(ジオス)ミストラルの完成間近。
まとめ
というわけで今回は、GIOS(ジオス)ミストラルの前側の変速を、フロントトリプルからフロントシングルにするまでをレポートしました。
最後にまとめます。
ミストラルにトリプルはいらない
⇒トリプルのうち38Tだけで十分
シングルクランク「シマノGRX40T」
⇒エスケープR3で使用実績
⇒40Tというサイズが絶妙
⇒ホローテックタイプ
⇒ナローワイドがチェーンが落ちない
ホローテックBBの取り付け
⇒いつもはBB-RS500
⇒今回はPROWHEELホローテック互換BB使用
⇒専用工具が必要
ようするに
使いもしないトリプルクランクを捨てて、シンプルなシングルクランクGRXを選んですっきり。
シングルクランクは見た目的にも機能的にもいいことばかり。
ただし目を△にして走ったり、MTBみたいな乗り方をしてはいけません。
ということです。
身も心も軽くなるシングルクランクでお気楽自転車ライフを楽しみます。