この記事では、クイックリリースとスキュワーの違いと、GIOS(ジオス)ミストラルにスキュワーを取り付けるまでをレポートします。
スポーツ自転車ってなぜクイックリリースなんだろう?レバーで固定する方式がなんだか不安なんだけど?という方も多いと思います。
結論はスキュワーがたいへんオススメです。
この記事を読めば、なぜスキュワーが良いのかがはっきり分かります。
そもそもスキュワーとは何?
普段乗りのお気楽コンセプトでカスタムとレストアを続けているGIOS(ジオス)ミストラルです。
今回のお題は、GIOS(ジオス)ミストラルのホイールとフロントフォークを固定するパーツを、クイックリリースからスキュワーに交換することです。
まずはこのスキュワーって何なのかを簡単に解説しますね。
クイックリリースについて
ホイールをフロントフォークを固定するためのパーツのうち、上の写真のようにレバーがついたものをクイックリリースと言います。
クイックリリースの特徴は次の通りです。
- レバーを手で回すことでホイールの着脱ができる
- 手で回すので工具が要らない
- 締め付けの最終段階でレバーにテコの原理を利用することで固く締まる
- レースなんかで時間勝負でホイール交換するのに有効
クイックリリースを車体から取り外すとこんな様子です。
ボクなんかはちょっと前までは、このクイックリリースが装備されているかどうかで、その自転車がホンモノ?のスポーツ自転車かどうか判断していました。
それだけクイックリリースがスポーツ自転車の定番パーツだ、ということができると思います。
スキュワーについて
クイックリリースに替わるものとして今回扱うのがスキュワーです。
「串」を英語では「スキュワー:skewer」と言うそうです。
ホイールを串刺しにする形になるので、理にかなった名前だと思います。
ちょっと混乱するかもしれませんが、海外?欧米?ではクイックリリースもskewerの一種なのだとか。
- クイックレバー付きのスキュワー
- レバーの付いていないスキュワー
というようにどちらもスキュワーということなのでしょう。
ただし混乱しますので、この記事ではレバーの付いていないものをスキュワーとさせていただきます。
一般的にもそのように受け取られているようです。
クイックをスキュワーに交換する意味は?
さて、良いことづくめのように思えるクイックリリースを、なぜ手間のかかるスキュワーに今回交換するのでしょうか?
ではクイックリリースとスキュワーの特徴を比べながら考えていきましょう。
クリックの短所とスキュワーの長所は裏表の関係のようです。
クイックリリースの短所
クイックリリースの良くないところは次の通りです。
- 手で締めるので締り加減にムラがある
- 手で締めるので固定力が強いとは言えない
- レバーに何かが当たって意図せず緩むことがある
- メカに強くない人が触るとちょっと心配
- お子様の自転車にクイックはかなり心配
ということが挙げられます。
そしてこれは短所とは言えませんが、そもそもレースのように瞬時にホイールを交換しなくちゃいけない場面に、おそらく一生遭遇しないということがあります。
そんなこんなでボクはクイックリリースに対して、消極的な否定派なのです。
ただしおそらく少数派だと思いますね。
スキュワーの長所
さてここからはスキュワーの特徴について解説します。
いきなり長所からになります。
- 工具を使うので確実に締まる
- 工具で締めるので固定力が強い
- 固く確実に締まるので車体の剛性が高まる(らしい)
- 意図せず緩んじゃう可能性が低い
というように明確な長所があります。
反面、短所があるとしたら、ホイールの着脱に六角レンチが必要なことぐらいでしょうか。
そもそも車体からホイールを外す必要があるシーンでは、間違いなく六角レンチを持っていることでしょう。
自転車って六角レンチがないと何もできませんから。
ということで工具が必要だということは、短所と言えないのではないかと考えるわけです。
ジャイアントのクロスバイクはスキュワーが標準装備
世界で一番売れているらしいスポーツ自転車、ジャイアント・エスケープR3はメーカー出荷段階ですでにスキュワーが装着されています。
ちょっと調べたところだと、エスケープR3だけではなくジャイアント製のクロスバイクにはだいたいスキュワーが使われているようです。
普段使いされるシーンがもっとも想定されるクロスバイクに、スキュワーを標準で使っていることにジャイアントの誠意のようなものを感じますね。
普段使いのクロスバイクで、瞬時にホイールを交換する必要があるシーンって、想像しにくいですから。
それより安全に確実に装着できるスキュワーの恩恵のほうが遥かに大きいです。
ボクも以前エスケープR3の2020モデルに乗っていましたが、装着されているスキュワーのデザインや剛性感がカッコいいなあと思っていました。
我が家のスポーツ系自転車には全てスキュワー装着
我が家にあるブルーノ・ミキストというミニベロには、ご覧の通りスキュワーが装着されています。
このブルーノに乗っている家族の一人は、自分でホイールを着脱することは、たぶん一生無いので(笑)スキュワーはベストの選択です。
このブルーノ以外の我が家のスポーツ自転車も、全てクイックからスキュワーに交換済みです。
詳しくは下の過去記事でどうぞ。
TranzXのスキュワーを用意
では今回GIOS(ジオス)ミストラルに装着するスキュワーを紹介します。
我が家のスキュワーは全てこの製品です。
「トランズエックス」のスキュワーは、品質とお値段のバランスがいいのです。
トランズエックス=TranzXってあまり耳慣れないブランドですが、ちょっと調べてみると、海外ではそれなりに名が知られたブランドのようですよ。
おもに3つのパーツで構成されています。
- フロント用(100mm)スキュワー
- リア用(135mm)スキュワー
- シートクランプ用スキュワー
一番小さなシートクランプ用は必要がないので今回は使いません。
スキュワーの材質ですが、軸部分はステンレスで、ナット部分はアルミのようです。
サビの心配がなさそうなので安心ですね。
※現在はマイナーチェンジされて、盗難の心配がさらに低くなる専用レンチ付きバージョンが販売されているようです。
いやいや専用工具が必要なのはちょっと困る、盗難の可能性が多少アップしても、普通の六角レンチで回せる方がいい、という方には下記のBBBブランドのスキュワーが良さそうです。
クイックをスキュワーに交換する
スキュワーの用意ができましたので、さっそくクイックからスキュワーに交換していきましょう。
GIOS(ジオス)ミストラルに付いているのは、ご覧の通りのごく普通のクイックリリースです。
特に苦労もなく普通にクイックリリースを取り外すことができました。
ホイールを外す必要もありません。
クイックリリースの替わりにスキュワーを差し込んで六角レンチで回して締めるだけ。
リア側の交換も終わりました。
GIOS(ジオス)ミストラルのエンド幅(≒OLD)は130mmなので、ボルトの先がちょっと余っています。
エンド幅(≒OLD)が135mmの自転車だったら、ちょうどぴったりなんだと思います。
スキュワーの取り付けが完了
スキュワーの取り付けがあっと言う間に完了しました。
レバー部分が無くなったおかげでいくぶんスッキリした外観になりました。
比較的地味なカスタムではありますが、安全性や確実性がアップします。
費用対効果の高いカスタムだと思いますよ。
まとめ
というわけで今回は、クイックリリースとスキュワーの違いと、GIOS(ジオス)ミストラルにスキュワーを取り付けるまでをレポートしました。
最後にまとめます。
スキュワーとは
⇒レバーを手で回して締めるのがクイックリリース
⇒レバーなく工具を使って締めるのがスキュワー
クイックをスキュワーに交換する意味
⇒クイックは手で締めるので不確実な場面がある
⇒瞬時にホイール脱着しなくてはいけない場面はまず無い
⇒工具で締めるスキュワーが安全確実
⇒ジャイアントのクロスバイクはみんなスキュワー
⇒我が家のスポーツ自転車はみんなスキュワー
GIANTのクロスバイクはみんなスキュワー
⇒簡単に取り外せないことが逆にメリット。
用意するスキュワー
⇒特殊工具使用で盗難に強いTranzX
⇒普通の六角レンチが使えるBBB
クイックをスキュワーに交換
⇒交換はすごく簡単
⇒地味なカスタムだけど費用対効果大きい
ようするに、
クイックリリースをスキュワーに替えることのデメリットが見当たりません。
安全性も高くなり剛性感もアップ、そして盗難に強い。
安心で確実で自転車メカに詳しくない人にこそオススメです。
ということです。
自転車メカに詳しくない人にこそオススメというのが一番のメリットかもしれません。
意図せずホイールが外れちゃったら大変ですからね。