この記事では、ボロボロのGIOS(ジオス)ミストラルのフロントフォークを復活させるにあたり、塗装のために下準備をするまでをレポートします。
素人作業ではあるんですけど、塗装をするにあたっての一連の流れをお伝えできると思いますよ。
フロントフォークのサビ落とし
前回でGIOS(ジオス)ミストラルの全バラが完了しました。
その結果、レストアは相当手強いことが判明して、うれしいような怖いような(笑)
ということで、今回から具体的なレストア作業に突入します。
まずは手始めにフロントフォークから取り掛かりましょう。
フロントフォーク上部のフォークコラムです。
最上部にサビが見られますね。
まあこれくらいなら磨けばキレイになるはずです。
なかなかひどい状態のフロントフォーク。
なにやら塗装面はカピカピになってて、右側は塗装下から腐食しています。
鉄(クロモリ)なので、塗装の下の鉄部まで届くようなキズがつくと、水分が侵入してこうやってサビるんですね。勉強になります。
まずはゴリゴリのサビを落とすために、スクレーパー(へら)でサビを削りました。
思ったより範囲が広いではありませんか。
これからサビ落としのために研磨するんですが、その前にGIOSのロゴをキズが付かないようにマスキングしておきます。
では研磨スポンジを使って水研ぎをします。
目の細かさに違う2種類の研磨スポンジを使います。
先に使うのが、
400番の研磨スポンジでざっくり研磨できたら、次は少し目の細かい800番で磨きます。
紹介したスコッチブライトと作業写真の研磨スポンジの色が違いますね。
仕様はほぼ同じの他社製品を使ってるだけなので、気にしないでおきましょう。
研磨スポンジを使いやすいサイズに切って、水を含ませながらサビ部分を研磨していきます。
素手で作業すると手の皮がむけちゃう恐れがあるので、かならず軍手など手袋をして作業してくださいね。
サビがすっきり落ちました。
このまま放置すると鉄がサビちゃうので、素早く水を切って雑巾でふいて乾燥させます。
フォークをいったんキレイにする
さてこれから塗装の下準備を進めていきます。
ただフロントフォーク塗装面がカピカピのまま上から塗装するのもどうかと思ったので、仮ですけど塗装面をいったんキレイにします。
目の細かさの異なる3つのコンパウンドがセットになっていて便利ですね。
- 細目
- 中細
- 極細
この順番で仕上げていく感じです。
ただ実際に試したみたところ、今回のフロントフォークの塗装面の復活には、細目はちょっと目が粗すぎでした。一番、目の細かい極細だけで十分ですね。
以前はウエス(雑巾など)にコンパウンドを付けて磨いてました。
今はこんなふうにラップに付けて磨くようにしています。
ウエスだとコンパウンドが染み込んでいってしまうでしょう。
ラップだと染み込むことがなく、常に表面にコンパウンドが残ったままなので、コンパウンドが無駄に減ることがなくなります。
コンパンドを使った作業をするときも手袋を使うことをおすすめします。
手が痛くなりにくいですよ。
先のコンパウンド3種セットの極細よりも、さらに目が細かい(と思う)超ミクロンコンパウンドで仕上げます。
これはどうしても必要ではないんですが、塗装面がどんどんピカピカになっていくのが楽しくなってしまいまして、ついつい。おかげでツルツル、スベスベになりました。
フォークを塗装する前に下地を作る
フロントフォークの表面がいったんキレイになったところで、次は塗装の下準備をしていきます。
コンパウンドでキレイになったのは良いんですが、コンパンドが残ったままだと、上から塗装したときに密着度が落ちるはずです。
なのでマジックリンで油分を洗い流しつつ、これから塗装するつもりの部分を研磨スポンジで荒らします。
研磨スポンジで荒らすことで、表面に細かいキズがたくさん付いて塗装の密着度が高まることを期待しています。
ただ全体の流れで感じるんですが、やはり素人だけあって段取りの悪さを感じずにはおられません(笑)
マジックリンで洗浄したので、油分は除去できてるとは思うんですが、念の為シリコンオフで脱脂します。
シリコンオフは次のように使うと良いようです。
- 前もって水洗いしてホコリを落とす
- 水分を乾かす
- シリコンオフを吹きかける
- キレイで柔らかい布で拭き取る
ボクはペーパータオルを使って拭き取りました。ティッシュは繊維が残るのでダメよと聞いたことがあります。その点ペーパータオルは大丈夫らしい。
シリコンオフでなくてもパーツクリーナーで代用できるという人もいます。
いやいや用途が違うからダメだぜという人もいます。どっちなんだろう?
次に使うのがミッチャクロン。下地と塗装の密着を高める効果があるそうな。
いまいち実感がありませんが、せっかく持っているので使うことにします。
塗装のプロも使ってはりますのできっと効果があるのでしょう。
ということで塗装の下地作りの最終段階であるプラサフです。
プライマー(密着度を高める)+サフェーサー(平らにする)=プラサフ
だそうです。
本当は写真のような狭い範囲を囲ってプラサフを吹いたりはしないと思うんですよ。
もっと広い面に、サーっと吹いたりですよね。
こういう狭い面だとプラサフではなくパテじゃないかなとも思います。
まあチャレンジということでご容赦ください。
プラサフ吹きが完了しました。
スクレーパーでこそぎ落とした凹みが残っていますね(汗)
やっぱりパテを使うべきだったか?
いやいやこのプラサフ面の凹んだままの部分にパテを使うんじゃない?
すこし思案することにしましょう。
まとめ:たくさん手間がかかるけど、それもまた楽し
というわけで今回は、ボロボロのGIOS(ジオス)ミストラルのフロントフォークを、復活させるための下準備をレポートしました。
最後にまとめます。
フロントフォークのサビ落とし
⇒塗装面のキズから水分が侵入
⇒鉄部分が腐食してボロボロ
⇒研磨スポンジで水研ぎ
フロントフォークをいったんキレイに
⇒コンパウンドで磨いていったんツヤツヤに
フロントフォークを塗装する前に下地作り
⇒水洗い&足付け(表面を荒らす)
⇒シリコンオフ
⇒ミッチャクロン
⇒プラサフ
ようするに
ぱっと見ボロボロ、カピカピでもよほどじゃない限り、正しい手順で手入れをしてあげるとかなり復活してくれますね。
安価で入手した自転車なので思い切ったことができて楽しいです。
仮にどこかでしくじっても勉強。楽しみの一つだなあ。
ということです。
次回のフロントフォーク塗装編に続きます。