この記事では、クランクの回転を受け止める軸である、ボトムブラケット(BB)のトラブル対処法とBBの取り外し&交換のしかたについて紹介します。
BBなんてよくわからないし、そんなものを交換するとか無理っ!って思われる方も多いと思います。
今回はそんなアナタのために、必ずできるBBの交換方法と、予想されるトラブル発生時の対処方法をお伝えします。
今回の前編は3分くらいで読めますし、ご自分で自転車を整備する際にきっと役に立ちますので、ぜひご一読を!
ボトムブラケット(BB)の回転が渋すぎます
さて前回の、フレームを磨いて「つるつるピッカピカ」にするミッションのために、じゃまになりそうな部品を外して、ほぼハダカに近い状態になってる「ルイガノTR2」です。
すでにコンパウンドで磨き終わって、フレームの塗装面が「つるつるピッカピカぬるぬる」になってまして実に気持ちがいいです。
そのようすはこちらでご覧いただけます。
【ルイガノTR2】中古自転車のフレームが「つるつるピッカピカ」になる磨き方
今回はフレーム磨き以外にもいろいろやりたいことがありまして、ハダカに近い状態にしてますが、フレーム磨きだけなら、ここまでバラさなくても大丈夫ですので念のため。
ただですね、ここでちょっとまずいことに気が付いてしまったのです。
気づかなかったほうが良かったような、気がついて良かったような(苦笑)
本来はクランクが付いているはずなところが、ボトムブラケット(BB=ビービー)と言うんです。クランクの回転を受け止める回転軸のことですね。
このBBをつまんで回してみると、なんかおかしい。というかすごくおかしい。
このくらいのグレード?のスポーティな自転車だと、まあまあなレベルのBBが装着されていることが多くて、そんなBBたちは、つまんで回すと「ぬるぬる」回ります。
「ぬるぬる」度が軽かったり重かったりはいろいろあります。おおよそですがお高いBBのほうが軽く回ってくれるというのがボクのイメージです。
でもこのBBは「ぬるぬる」回らない、
具体的にはこんな感じです。
- グリスに包まれたベアリング(鉄球)が回る感触があるはずなのに無い。
- ひっかかりはしないものの、グリスで潤滑されてる感がゼロ。
- 乾いたベアリングがイヤイヤ転がってる感じ。
- つまり「ざらざら・ずりずり」という感触がいたします。
おもわず「これはアカン!」という声が出てしまいました。やっぱり中古車は外見はキレイだとしてもイロイロあるよねえと思わずにはおれません。
ただ落ちついて考えてみると、この自転車って2010年のモデルなので、もう10年選手なんですよね。十年前ってボクはなにをしていたかなぁ(遠い目)
ということで、ボクは決断しました。せっかく我が家にやってきた子なので、ちゃんと動くようにしてあげようと。そしてそのために、
BBを新しいものに交換することに決めました。
BBはスクエアテーパーカートリッジ
BBなんですが、実はいろんな種類があるんです。あくまでざっくりとあげてみますと、
- カップアンドコーン(バラのパーツで構成されてるやつ)
- スクエアテーパー
- オクタリンク
- ホローテック
一番上の「分解可能なBB」以外はすべてカートリッジ式と言いまして、一体型でカタマリでごそっと交換できるようにできてます。雑な説明ですが大すじそんなところです。
そして今回のは「スクエアテーパー」のカートリッジ式BBなんですね。他の種類のBBについては、今回は関係ないので割愛いたします。
詳しくお勉強したい方はこちらをご覧ください。
スクエアテーパーはこんなBB
今回の対象となってるBBそのものではありませんが、カタチとしてはほぼこの通りのものです。
- スクエア=軸が四角い
- テーバー=軸が先細りになってる
それでスクエアテーパーって言うんですね。きっと。
ということで、このルイガノTR2のBBが、スクエアテーパーということまではわかりました。でもスクエアテーパーにしても、いろんなサイズがたくさんあるんですよ。
交換用の新しいBBを手配しないといけませんが、注文するためにはBBのサイズを知ることが必要です。
まあ今付いてるBBを自転車から取り外せば、そのBBに上の写真のように、サイズが書いてあるのでわかるんですけどね。
なのでなにはともあれ、今付いてるBBを取り外して、サイズを確認することにしました。
でもね。ここから予想だにしないイレギュラーがあれこれ発生するのです。といってもボク自身の知識不足や経験不足が原因だったりしますが(笑)
BB取り外しに必要なもの
さて実際にBB取り外しの挑戦する前に、BBを取り外すために必要なモノを紹介しますね。
BBの前にクランクを外さないといけませんが、ここではクランクについては省略します。
BBを外すのに必要なのはこの三つです。
- BBツール(呼び方は他にもいろいろあります)
- モンキーレンチ(BBツールをつかめること必須)
- 作業手袋
BBツール
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スクエアテーパーBBには特殊な溝が掘られていまして、その溝にBBツールという特殊な工具をあてがって、BBを回して取り外します。
経験上、BBとBBツールはたいへん収まりが悪くて、しっかり安定してくれません。なんでこんななんだろうとは思いますが、ボクが文句を言ってもはじまりませんので、ここは我慢しときます。
モンキーレンチ
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BBツールはただのアタッチメントのようなものなので、BBツールを回す工具が別に必要です。それがこのモンキーレンチ。それもBBツールをつかめるように、開け口がそうとう大きいものが必要です。
このでかいモンキーですが、BBを回すときと、スレッドコラムが刺さってるヘッドパーツを回すときしか使った記憶がありません。
ちなみに、最初から取っ手が付いているBBツールもありまして、その場合はモンキーは必要ありません。これはBBツール&モンキーのコンビよりも安定しそうです。ほしい。
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作業手袋
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BBを取り外すときには、作業手袋を絶対に付けて作業してほしいです。
作業手袋、イル、ゼッタイ。
それはこの作業をする際に手にケガをする可能性があるからです。自慢じゃないですがボクは経験済みです(痛)
先にも書きましたが、BBとBBツールの収まりはたいへんよろしくないです。そしてたいていの場合、BBは固く締まってて、おいそれとは外れてはくれません。アクシデントはこのときに起こるのですよ。
たとえば、「ぐぐぐっ!」を力を入れてるときに、
- BBからBBツールが「ずるっ!」と外れちゃう。
- BBツールからモンキーが「がくっ!」と外れちゃう。
こんなときに、勢いあまって手をどこかにぶつけてしまったり、手をなにかの間に挟んじゃったりして、ケガします。そうとう痛いです。もうこりごりです。
なので少しでもダメージを少なくするために、作業手袋は付けて作業してほしいです。
ふつうの軍手ではなくて、ゴムいぼ付きの軍手とか、手のひら全面にゴムがひいてあるのがおすすめです。絶対装着お願いいたします。
前編まとめ
というわけで今回は、回転が渋すぎるボトムブラケット(BB)を新しいBBの交換する流れの実例の前編をご紹介しました。
最後にまとめます。
BBの回転が渋すぎる
⇒本来なら「ぬるぬる」回転するのがBB。
⇒10年前の自転車で潤滑が切れちゃってる。
BBにはいろんな種類がある
⇒今回の自転車のBBはスクエアテーパーカートリッジ。
BBを取り外すために必要なもの
⇒BBツール=BBを外すための専用工具。
⇒モンキーレンチ=BBツールを回すために必要。
⇒作業手袋=ケガしないために絶対おすすめ。
ようするに、
クランクを支える回転軸であるBBは年月と走行距離によって劣化する。そんなときには新たしいBBに交換するのがおすすめです。
そしてBBを交換するためには、専用の工具が必要で、作業中のケガにも注意してください。
ということです。
続く後編では、こんな内容をお送りします。
- BB取り外しに挑戦!
- BBがはずれない・・・
- BBのサイズがわからない・・・
- 見事BB交換完了
どんどんご自分で自転車に手を入れて、お気に入りのマイ自転車に育てていきましょう!