この記事では、スレッドステムのカンタンな解説と、自分でできるスレッドステムの整備について、実例とともに紹介します。
ハンドルを支えているスレッドステムですが、なんかネジみたいなのがたくさん付いていて難しそう、イジってややこしいことになったらイヤだなあ、なんて敬遠したくなりますよね。
今回は、スレッドステムの仕組みやその意味、注意したほうが良いポイントなどを実例でお伝えしていきます。
この記事を読むだけで、心配せずにスレッドステムのカンタンな整備ができるようになりますよ。
4分くらいで読めますので、ご一読くださいね。
アヘッドステムとスレッドステム
ボクが「ステム」という言葉を知ったのは、スポーティな自転車に乗るようになった、十年ほど前のことです。
それまでは、自転車なんてただの移動手段でしかなかったし、部品の名前なんてどうでも良かったんですね(すみません)
でもスポーティな自転車に乗るようになって、そして素人なりにあれこれ自転車を整備するようになって、「ステム」というものを知ることになりました。
そして、この「ステム」には、大きく分けて二つの種類があるんです。
「アヘッドステム」です。疾走系の現代的な自転車に、付いていることが多いようです。メカニカルな感じがしますね。性能も良いらしいですよ。
そしてこちらが「スレッドステム」です。ママチャリなどもみんなこの形式ですね。ちょっとクラシカルな外観だなあと思ったりします。
以前のボクは「疾走系」に属していまして(属すってなに?)、現代的なスポーティ自転車はみんなアヘッドなので、アヘッドのほうがカッコイイと思ってました。スレッドはなんか格下みたいな。おかしいですね。
その後、しばらくして折りたたみ自転車(誤解を恐れずに言うと、折りたたみ自転車にはステムというものがありません)ばかり楽しむようになり、お仕事も忙しかったりして、すっかりステムというものから、遠ざかっていたわけです。
でも最近になって、「疾走系」はすっかりご無沙汰になり、ゆるい自転車ばかり、いじったり乗ったりするようになりました。そうなると自然の流れとして、スレッドステムと関わることになるのです。
スレッドステムは思ったほど難しくなかったです
スレッドステムを自分で整備するまでは、こんな印象を持っていたんです。
- なんか知らないけど難しそう。
- よくわからないネジみたいなのがいっぱい付いてる。
- イジって失敗したらイヤだなあ。
ようするに未知の存在に対する恐怖というやつでしょう(大げさ)
でも最近になって必要に迫られまして、スレッドステムをイジることになりました。そのうちの一つが、ブリヂストン・マークローザのリフレッシュの任務だったりですね。
新車だったりすると、なんかあったらどうしようと心配にもなりますが、このマークローザくんは、相当にくだびれてまして、失敗とかしてもどうってことないという安心感?がありました。
そんなこんなで何度かスレッドステムをイジるうちに、なんか要点というかコツというかが、なんとなく分かってきたんです。
分かってみると、どうってことないですよ。もちろん素人として、できることに限りますけどね。
そんな経験を「スレッドステムをイジってみたい」という方に向けて、共有できればイイなと思って、今回の記事を書いているしだいです。
バスケットブランケットを付けることに
それでは実際に、スレッドステムをイジるシーンを、追いかけてみますね。
今回は、我が家に中古でやってきた、ゆるめのクロスバイク「ルイガノTR2」のリフレッシュ計画の一環として、前カゴを取り付ける作業の一つとして、スレッドステムをあれこれイジります。
時系列が前後しますが、今回の作業の最終形がこれです。スレッドステムに、前カゴを支えるための金具パーツ(ブランケット)を装着するのです。
スレッドステムに装着するブランケットです。ブレーキやシフトのワイヤーと干渉するのをさけるため、ロングタイプを選んでみました。
スレッドステムにはサイズが二種類
上下に伸びる金属柱部分の太さが二種類あるんだそうな。それは、
- ノーマルサイズ=22.2mm(1インチのヘッドパーツに対応)
- オーバーサイズ25.4mm1-1/8インチのヘッドパーツに対応)
ということらしいです。我が家のルイガノTR2は、ノーマルサイズでした。上のカゴ取り付け用ブランケットを買うときには、このサイズにご注意くださいね。ちなみにボクはこれまで、ノーマルサイズ以外には出会ったことがないんです。
スレッドを抜きましょう
スレッドステムという言葉なんですが、自分の中でも不確かな感じだったので、ネットで調べてみたところ、
- 上下に伸びる金属柱の部分がスレッド
- 前に伸びる部分がステム
ということのようです。もし間違ってたらごめんなさいです(汗)
スレッドの一番上のところに穴がありますね。そしてこんなプラスチック?ゴム?のフタが付いています。このフタが実はとても大切なんです。このフタが無いと穴の中に雨水が溜まったりして、サビの原因になるんですね。
このフタを傷つけないように、なくさないように、取り外しましょう。ボクは「千枚通し」という、先の尖った道具を使うようにしています。
フタを取ると、ボルトの頭が現れます。以前イジった時にたっぷり塗っておいた、グリスがまだしっかり残っていますね。
実は最初にココを見たところ、残念ながらちょっとサビていました。なので、こんな応急処置をしておいたんです。
- 600番の研磨スポンジでサビを落とす。
- シルバーのラッカースプレーで塗装する。
- クリアのラッカースプレーでコーティング。
- 最後にグリスをたっぷり塗っておく。
ボクはサビがとってもイヤなんです。ボルトを新しいステンレス製に、替えることができればいいのにね。
六角レンチでボルトをゆるめます。ゆるめていくと、
ヘッドパーツに食い込んでいた、スレッドを外すことができました。構造の話として、ボルトを緩めるとスレッドの一番下のヤツがずれて、ヘッドパーツの食い込んで固定するという仕組みなんですね。
先っぽのパーツが茶色くサビていて残念ですが、これまで我が家に中古でやってきた自転車は、みんなココがサビていました。雨水が溜まってしまう場所なんでしょうね。なので手遅れ感を感じつつ、グリースをたっぷりと。
さて、ヘッドパーツのほうに、大きなナットが二つ付いていることを、見ておいてくださいね。次にさわりますので。
前カゴ用ブランケット付けます
今回の目的は、前カゴ用ブランケットを、スレッドステムに固定することでした。そのために上下ある上のほうのネジ(ロックナット)をゆるめて外します。大きめのモンキーレンチが必要ですね。
はい、部品を外すのはここまでです。ここから先は難易度が高まりますので、自転車屋さんにお願いする領域っぽいです。もちろん自分でさわってダメということはありません。
写真のネジと合体してるフタみたいなやつは「上ワン」と言います(自信なし笑)
この中にベアリングが閉じ込められていまして、このワンを締めたりゆるめたりすることで、ベアリングの動きを調整するようです。
ボクもちょっとイジってみましたが、ちょうど良いあんばいというのが難しいです。ゆるいとガタが出ますし、締めすぎるとハンドル操作が渋くなります(なりました汗)
このサイトがわかりやすくて参考になったので紹介しますね。たいへん助かります。
ではさくさくと作業を進めまして、前カゴ用ブラケットを取り付けて、ロックナットを締めました。
ロックナットに内側にグリスをたっぷり塗っておきました。スレッドステムとのすき間をグリスで埋めて、雨水の侵入を防ぐ作戦です。
余談ですが、ボクが使ってるグリスは、10年前にオートバイの整備用に買ったグリスです。今はもう廃盤になってるもよう。グリスっなかなか減りませんし、腐ったりしなさそうなので問題ないですよね?
もし新しく買うんだったら、迷わずこれを買います。自転車の整備を自分でする人はみんなこれを使ってると思いますよ。たぶん。
スレッドステムを差し込んでおしまい
ハンドルとステムの角度を合わて、固定ボルトを締め込んて固定します。固定ボルトの頭にグリスをたっぷりと。塗りすぎでしょうか?
最後にキャップを付けておしまい。お疲れさまでした。
まとめ
というわけで今回は、スレッドステムのカンタンな解説と、自分でできるスレッドステムの整備について、実例とともに紹介しました。
最後にまとめます。
アヘッドステムとスレッドステム
⇒疾走系の現代的な自転車はアヘッドステム多し。
⇒ママチャリやゆるめのスポーティ自転車はスレッド多し。
難しくないスレッドステムの整備
⇒仕組みとコツがわかれば大丈夫。
スレッドステムはサイズが二種類
⇒ノーマルサイズとオーバーサイズ。
スレッドを抜く
⇒キャップとグリスアップを大切に。
ロックナットと上ワン
⇒二つのナットの機能に注意。
ようするに、
難しそうに見えるスレッドステムだけど、仕組みとその機能の意味がわかれば、自分でもカンタンに整備できますね。
ということです。
またひとつ整備できる範囲が広がって、その分また自転車と仲良くなれました。